【23-24PL第3節】ノッティンガム・フォレスト戦  4つのトピックスで振り返る!【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

23-24プレミアリーグ第3節 ホームでノッティンガム・フォレストと対戦したユナイテッド。試合は開始わずか2分で、フォレストがカウンターからタイウォ・アウォニーが決めて先制に成功します。さらにその直後、フォレストのフリーキックの場面で、ウィリー・ボリーに頭で決められ2失点目。ユナイテッドは立ち上がりから2点のビハインドとなる苦しい展開になります。しかし、その後はユナイテッドが敵陣に押し込んで試合を進め、17分にラッシュフォードのクロスにエリクセンが合わせて1点を返します。後半に入った52分にはデザインされたセットプレーから最後はカゼミーロが押し込んで2点目。同点に追いつきます。さらに67分にはフォレストキャプテン、ジョー・ウォーラルがブルーノ倒してレッドカードで退場となりユナイテッドは1人多くなります。そして76分、ボックス内でラッシュフォードが倒されPKに。これをブルーノがしっかり決めて、遂にユナイテッドが逆転に成功します。11分という長いアディショナル・タイムを凌いだユナイテッドが3-2で逆転勝利。勝ち点3を獲得しています。

*試合のハイライトはこちら

今回はこの試合を4つのトピックスで振り返ります!

以下項目です。

👿ラインナップ

23-24PL-3 ユナイテッドvsフォレスト ラインナップ

①開始4分での2失点

開始わずか2分で先制を許したユナイテッド。ユナイテッドのコーナーキックの場面でこぼれ球をアウォニーに拾われ、そのまま独走を許しゴールを割られました。この時のコーナーキックの場面を詳しく見てみると、ユナイテッドはボックス内に5人、コーナー近くに2人、そして後方に3人が立っています。後方の3選手はワン=ビサカ、ラッシュフォード、アントニーです。こぼれ球をブレナン・ジョンソンが蹴り上げ、そのボールをワン=ビサカとモーガン・ギブス=ホワイトが競り合います。まずこの競り合いの時のワン=ビサカはジャンプのタイミングが遅く、簡単に空中戦で負けています。そして、ラッシュフォードとアントニーはこの競り合いに対してカバーリングをする必要がありますが、少し距離が近すぎました。ボールはラッシュフォードに近い場所に落ちますがラッシュフォードの反応は非常に鈍く、離れたところから猛然とダッシュしてきたアウォニーが先にボールに到達します。この時アントニーはラッシュフォードがボールを回収し、パスコースを作る必要があると思い、ボールから離れています。開幕戦やスパーズ戦でも見られたネガティブ・トランジッションの鈍さがここでも出た形ですが、本来ならCK時はワン=ビサカとショーが残っていることが多いので、ラッシュフォードとアントニーの被カウンター対応に不慣れな面が出たシーンでもありました。

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また、その直後にはフォレストのフリーキックから2点目を奪われました。このシーンではユナイテッドはゾーンでゴール前に6人配置し、フォレストはボリー1人をゴール前に置きます。後方からの走り込み要因でフォレストは4人を団子にし、それに対してユナイテッドはマルシャルとマルティネスが付きます。ワン=ビサカがボリーに付きますが、目の前でジャンプしたウォーラルの頭に当たらなかったこともありワン=ビサカは落下地点を予測できませんでした。マルティネスも同時に飛んでいますが、マルティネスの頭にも届いていません。ボリーもしっかりヘディングしたというよりは頭に当たったら良いコースに飛んだというように見え、やや不運な失点だったといえるかもしれません。まぁ、それにしてもセットプレーの守備が課題であることは以前から変わっていないので、言い訳の余地はないのですが、開始早々の2失点は誰も予想だにしない展開となったことは確かでしょう。

②粘り強く攻撃

早々に2失点を喫したユナイテッドでしたが、時間はたっぷり残っていたこともあり、その後は浮き足立つことなくボールを保持してフォレスト陣内で攻撃に転じました。2点を奪った後、フォレストは5-4-1ブロックで撤退したこともあり、時間帯によってはユナイテッドか9割近くボールを持ってプレーしました。前半のトータルの保持率は69%となりましたが、シュート自体は9本と思いのほか多くなく、ブロック守備を崩すのが難しかったということがわかります。しかし、17分のエリクセンのゴールまでの流れや、34分のワン=ビサカの突破までの流れなど、ポゼッションで崩すシーンも何度かあり、アタックのクオリティは素晴らしかったと思います。

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これまでは劣勢になると焦りからか、個人の判断で攻撃に出て、ルールや従うべき原則を無視するシーンが多かったユナイテッドですが、フォレスト戦はファイナルサードでの連携、ポジショニングはかなりレベルの高いものでした。特に、ボール保持の要となった右サイドはアントニー、ワン=ビサカ 、ブルーノまたはカゼミーロがユニットとして見事に機能。アントニーが幅を取ればワン=ビサカ がアンダーラップでチャンネルを取りに行き、ブルーノはサポートのポジションでロストに備えるなど、三角形を作ってのボール保持が機能していました。59分のアントニーの右足クロスからブルーノのシュートのシーンなどは見事な崩しでしたね。ユナイテッドは崩しの形がなかなか見えないというのが昨シーズンの評価でしたが、今シーズンは明確にチャンネルランが意識されています。そしてこれができているのがアントニー、ワン=ビサカの右サイドで、サンチョやブルーノなども意識しているのがわかります。ただ、左のガルナチョやラッシュフォードは一貫性がまだなく、改善が必要な項目の一つです。そのこともあり、今シーズンは右サイドのボール保持が目立ち、右でオーバーロード、左でアイソレーションという形が定番化しています。フォレスト戦はこれがうまく機能していましたね。

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③コンディションと怪我人

前回スパーズ戦の記事で書いたように、開幕からの不調はコンディションも大いに関係しています。前節見られた動きのキレのなさや、走行距離不足などはコンディションが原因と見ることができそうです。また、怪我人も多く、スパーズ戦の後にはマウントとショーが負傷離脱することとなりました。マウントの抜けた穴は、昨シーズンのレギュラーであるエリクセンが入ることで事なきを得そうですが、ショーの抜けた穴をどうするのかが注目されています。開幕前からバックアッパーであるマラシアが長期離脱を強いられており、フォレスト戦ではダロトが左で起用されました。若手でアルバロ・フェルナンデスが控えていますが、実績を考えるとダロト起用は妥当な判断でしょう。そのダロトは偽SBとしてハーフスペースにポジショニングし、ファイナルサードでは時に10番の位置にいるなど、ショーとはまた違った存在感を見せました。被カウンター時の対応など少し危ういところはありますが、マラシアの復帰までダロトを起用するというプランで問題ないように思いますが、どうやらマラシアの復帰はまだ掛かりそうです。流石に両サイドバックの層が薄くなるので、ローンでの獲得を画策。現在はククレジャの獲得が迫っているようです。

*前節の記事はこちら

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また、フォレスト戦の前半のみで交代となったヴァランも負傷の可能性があります(一部報道では6週間離脱)。負傷を繰り返しているヴァランですが、安定した守備とリーダーシップも兼ね備えた彼の離脱は痛手です。しかし、フォレスト戦後半に出場したリンデロフもパフォーマンスは安定しており、大きく崩れる事はないでしょう。懸念があるとすれば強豪チームとの対戦になりますが、アーセナル戦でどのようなパフォーマンスになるか見てみる必要がありますね。というように、怪我人が多くなっているユナイテッドですが、フォレスト戦ではコンディションという面では改善傾向がはっきり見られました。特に左ウィングでの起用となったラッシュフォードは先制点をアシストし、2点目の起点となり、3点目のきっかけとなる活躍でした。ドリブルにも鋭さがあり、また自陣まで守備に戻るなど、プレーすることに積極的な姿勢が見られました。その他ではアントニー、カゼミーロもコンディションは上向き。カゼミーロは26分の決定的なヘディングシュートは決められませんでしたが、52分にはしっかりゴールに流し込んでチーム2得点目を挙げました。守備の面ではまだ読みやタックルのタイミング、戻りのスピードに100%でない様子がありますが、攻撃面では申し分ないパフォーマンスでしたね。

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④ブルーノの躍動と必然性

フォレスト戦の逆転勝利に大きく貢献したのはキャプテンのブルーノでしょう。カゼミーロのゴールをアシストし、自身もPKによるゴールを決めています。シュートは最多の6本、アタッキングサードでのパスも最多の37本、キーパスは3本、SCA5回、ボールタッチはカゼミーロの110回に次ぐ2位の107回を記録。ファイナルサードでの存在感は圧巻でした。積極的にミドルを放ち、突破口を開こうとする姿勢や、視野の広さを活かしたパス回し。味方をサポートするポジショニングなど、劣勢の状態でも冷静にプレーし続けました。フォレストはブロックを敷いているので、ブルーノは比較的楽に深い位置からゲームメイクもでき、この事はチーム全体の攻撃のオーガナイズに繋がりました。働き具合からすると1ゴール1アシスト以上の働きをしたといっても過言ではありません

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そんな素晴らしいパフォーマンスだったブルーノですが、一方で2点先制した後のフォレストの戦い方は非常に奇妙であり、このためにブルーノを始め、ユナイテッドの選手のパフォーマンスが良くなったとも言えます。フォレストは極端に自陣に引いてブロックを作り、ボールホルダーに対してもボックス近辺まではほとんどプレッシャーを掛けてきませんでした。この事がヴァラン、マルティネス、ブルーノ、カゼミーロ、エリクセンなどがパスで自由にゲームを作れた大きな要因です。2点を奪ったとはいえ、まだ残り時間も90分近くある状況で、しかもオールド・トラッフォードであれは引き過ぎでしょう。ユナイテッドは確かに決定力を欠いており、調子も上がっていないとはいえ、逆転は時間の問題のように感じました。そう考えると、フォレストが1人少なくなるまで逆転できなかったことは逆に「崩すのに苦労した」と捉えられるかもしれません。

コンディションは明らかに上向きで、引いたブロックを崩すというこれまで苦手だったことも改善されたように見れる試合でした。しかし、一方でこの逆転劇により、これまでの悪い流れは断ち切ったかと言えば、そうとは言い切れないとも思います。フォレストのような戦い方をするチームは恐らくプレミアではほぼないでしょう。この試合のユナイテッドのパフォーマンス、特に攻撃に関しては素晴らしかったのは確かですが、フォレストの戦い方のために必然だったとも言えるということです。やはり完全に上昇気流に乗るのは、ビッグクラブを打ち負かす必要があるでしょう。そう、次節のアーセナル戦はそのチャンスです。

👿まとめ

開始早々の2失点で、かなりネガティブな気持ちになりましたが、その後のフォレストの引き具合とユナイテッドの攻撃の圧力を見て、「これはいける」と思い見ていました。ユナイテッドはボールを回収し続け、さながら攻撃トレーニングのようにファイナルサードでアタックを繰り返しました。上記したように、そのクオリティは素晴らしかったですが、トップに入ったマルシャルまではなかなかボールが入らず、決定機を作るのに苦労したことも事実。また、前線に人数を掛けていたこともあり、被カウンターから簡単にゴール前まで運ばれるなど、相変わらず守備的なトランジッションに問題を抱えています

そういったところは気になりますが、劣勢になっても冷静に組織として連携し、逆転まで持っていったメンタリティと、プレッシャーが少なければハイレベルなファイナルサードでのボール保持と崩しができるというのがわかったところはGOODポイントです。この勝利で潮目が変わってくれれば良いですが、やはりポイントは次節のアーセナル戦になりそうです。昨シーズン、リバプールに勝利して流れを変えたように、アーセナルを撃破して上昇気流に乗りたいですね。

23-24PL-3 ユナイテッドvsフォレスト スタッツ
23-24PL-3 試合結果

この試合の結果ユナイテッドは勝ち点6で8位となっています。

次節は エミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦。9月4日(月)0:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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